「宇宙戦艦ヤマトの物語はいずれも、非常に大きなスケール感の物語と言える」
「あまり大きく感じられないヤマトの物語もあるよ」
「その通りだ。しかし、それは表現が悪いだけであって、物語そのもんのはスケールが大きい」
「たとえば?」
「ヤマトよ永遠には、物語が小さい。しかし、実際は40万光年彼方の二重銀河を壊して帰ってくるという大きい話なのだ」
「話の焦点が雪や古代の恋愛や、地球への偽装になるから話が小さく見えるだけで、本当は大きいわけだね」
「そうだ」
「そういう意味で、ヤマトよ永遠には、最大級のヤマト物語だね」
「派生的な作品を含まないなら最大だろう」
「敵の出発地が二百万光年彼方のアンドロメダ星雲で良ければ、さらば/ヤマト2も大きいね」
「そうだな」
「では、最も小さいヤマトは?」
「銀河系内だけで話が決着するヤマトIIIが最も小さいように思えるが、見た目の話は大きい」
「なんで?」
「三勢力の勢力争いは複雑なので、小さい感じを受けない」
「じゃあ、体感で最も小さいヤマトは何だろう?」
「ヤマト2199はともかく小さい」
「なんで?」
「【メンタリティは同じだな】の決め台詞で、16万8千光年の距離が消失して隣町のスケバンと和解するような話になってしまった」
「復活篇はどうなのさ」
「理屈の上での話のスケールはかなり小さいが、敵の異質感が大きいので、体感スケール感は大きい」
「メッツラーのメンタリティは同じでは無いわけだね」
「そうだ、人間よ、理解不能だ」
オマケよ永遠に §
「つまり、そういう意味でヤマトよ永遠には、敵のメンタリティが同じなんだよ」
「なんで?」
「あっさりアルフォンと森雪が恋をできるぐらいの近い距離感。敵の幹部も地球人を模倣できるぐらい似ているメンタリティ」
「確かに、メンタリティは同じだな」
「新たなる旅立ちでも同じなんだけどね。でも、疑心暗鬼が実際以上に問題を拡大して話が大きくなってしまう」
「永遠には疑心暗鬼ではなく、安っぽいトリックを見破る話になってしまうわけだね」
「地球全体を模倣しようなどと、明らかにあっさりボロが出る作戦を取った報いだ」